冴島薫のブログ

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メルマガバックナンバー「高校受験に塾はいらない! 中学の成績を2.9倍伸ばす問題集」#20 / 理科 海風と陸風

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■今日の問題(理科)

次の文が正しい文になるように
カッコ内に適する語を選びなさい。

海岸地方では、よく晴れた日に、昼間は
(海から陸 / 陸から海)に向かって風が吹く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■答え

海から陸


■解説

海風・陸風の問題です。

この問題の場合はよく晴れた日の昼間なので、
海からの風、つまり海風が吹くんです。


…と覚えてしまえばそれまでなのですが、
しっかりそのメカニズムを理解しておくと
色々な問題に対応できるでしょう。


キーワードとなるのは「空気のあたたまりやすさ」です。

さて、陸と海、日射を受けたらあたたまりやすいのは
どちらでしょうか?

答えは「陸」です。

比熱という言葉を覚えているでしょうか?
「ある物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量」
のことです。

この比熱、水はほかの物質に比べて高いんですね。

これは
「ある物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量」
が他と比べて多い。
つまり、
「温まりにくく、冷めにくい」
ということなんです。

「温まりにくく、冷めにくい」が分かりづらければ、
「温度の上がる(下がる)スピードが遅い」と
捉えても構いません。

海というのは、当然ですが
たくさんの水が存在します。

ですので、日射を受けた時に
そこにある空気の温度が上がりにくいわけですね。

そうなると、
陸の空気が海上の空気よりあたたかくなります。
空気というのは
温度が上がると膨張、ふくらみます。

空気が膨らむというのは、その空気自体の
気圧が下がることなんです。

気圧というのは、「空気の混み具合」と
捉えておくといいでしょう。

例えば、あなたが身動きがとれないくらい
混んでいるバスに乗っているとします。
そこで、そのバスが突然2階建てになったら
どうでしょうか?
混んでいる状態は解消されますね。

空気が膨張すると、気圧が下がるというのは
このようなメカニズムで起こっています。

つまり、陸側の気圧がより低いわけです。

風は、高気圧から低気圧に吹きます。
ですから、この時の風は海から陸に吹く、
つまり海風になるというわけなんです。


それでは、夜はどうなるでしょうか?
結論から言うと「陸風」が吹きます。
日射がなくなることから始まり
結果陸から海に風が吹くんです。

どういったメカニズムで起こるでしょうか?


…これは自分で考えてみてください。
基本的には海風の時の逆が起こると
考えてもらってOKです。


■編集後記

今日扱った、海風と陸風
最近の入試ではよく出ます。

気圧や比熱についてよくわかっているかを
確かめるのにうってつけの自然現象だからではと
私は思っています。

また、気圧は「こういう時に低くなって…」と
覚えるのではなくて、
「空気の混み具合」と捉えておくといいでしょう。

皆さんが電車に乗っている。その車両は混んでいる
よく見ると隣の車両は空いている。
皆さんはどうしますか?

このようなことをイメージすると、
「風は、高気圧から低気圧に吹く」ことが
スッと理解できると思います。

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