冴島薫のブログ

塾講師です。

【高校入試】2018年 東京都立高校入試 数学 大問2[問2] ~文字式その2~

2018年 東京都立高校入試の数学。

大問2、文字式の問題です。ここでは[問2]を解いていきます。

f:id:studyandjoy:20180224145615j:plain この問題も、「直線を表す文字(と\pi)だけで式を作る」 ことを意識して解いていきましょう。

 Ql(h+r)「直線を表す文字(と\pi)だけで式を作る」のです。

  

 ではまず、Qから見ていきましょう。Qは、この円柱の表面積ですね。

 問1でも出てきた表面積。基本は展開図で考えることです。

f:id:studyandjoy:20180224150946p:plain

 こんな感じでしょうか? よって、この円柱の表面積は、

 (長方形の面積) + (円の面積) ×2

 h\times l+\pi r^2\times 2

 =hl+2\pi r^2

となります。

 

 さて、これでは、まだ右辺 l(h+r) と一致しませんね。

 ここで hl+\pi r^2 に使われている文字をよく見てみると・・・

 

 h → 円柱の高さ、つまり直線の長さです。

 l → 底面の円周、つまり曲線の長さです。

 r → 円の半径、つまり直線の長さです。

 

  こうして見てみると、「l を別の形で表せばいいのかな?」ということが見えてきませんか? lは、半径rの円の円周なので、

 l=2\pi r 

と表すことができます。

 

 これを、hl+2\pi r^2 に代入すると、

 hl+2\pi r^2

 =h\times 2\pi r+2\pi r^2 

 =2\pi hr+2\pi r^2

となります。これで直線を表す文字(と\pi)だけで式を作る」ことができましたね。

 

 さて、次は右辺、l(h+r) について考えてみましょう。

 よく見ると、l という"曲線の長さ"を表す文字が紛れているので、先ほどと同様に変形してみましょう。

  l(h+r)

  =2\pi r(h+r)

  =2\pi hr+2\pi r^2

 

 これで、右辺と左辺が一致しましたね。

 

 解答欄には、以下のように書くといいでしょう。

******************

l は底面の円の円周なので、

l=2\pi r と表すことができる。

 

また、

Q=h\times l+\pi r^2\times 2

=hl+2\pi r^2

=h\times 2\pi r+2\pi r^2 

=2\pi hr+2\pi r^2

 

 l(h+r)

 =2\pi r(h+r)

 =2\pi hr+2\pi r^2

 

よって、Q=l(h+r) となる。

******************

こんな感じでしょうか。

 

**********************************************************************

  \pi、つまり円周率は「直径の何倍が円周になるか」を示すものなので、\pi=\dfrac{l}{2r}という式が作れます。

 これを利用して、式を変形させていってもいいですよ。