冴島薫のブログ

塾講師です。

【高校入試】2018年 東京都立高校入試 数学 大問4[問2②] ~面積の比~

2018年 東京都立高校入試の数学。

大問4、平面図形の問題です。ここでは[問2②]を解いていきます。

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  要は、面積比を求める問題です。

 

 面積比を求めるには、相似比をうまく利用する必要があります。例えばある2つの図形の相似比が3:7だったら、面積比は9:49になりますよね。

 

 それでは、相似な図形がこの中に無いか探してみることにしましょう。

 例えば、△PBQ∽△ACQというのがありますね。\stackrel{\frown}{BC} に対する円周角なので∠BPQ=∠CAQ、対頂角なので∠PQB=∠AQCですから2つの角がそれぞれ等しいですね。

 しかし、これらの相似比を求めようと思っても、なかなかうまくいかないと思います。。。

 

 ここで、△ACQとOBPに注目してみたらどうでしょう。

 まず、∠QAC=∠POBであることがわかります。

 ∠QACは\stackrel{\frown}{BC}に対する円周角、∠POBは\stackrel{\frown}{BP}に対する中心角です。

 ここで\stackrel{\frown}{BC}=2\stackrel{\frown}{BP}なので、

\stackrel{\frown}{BC} の円周角 → \stackrel{\frown}{BP}の円周角の2倍

\stackrel{\frown}{BP} の中心角 → \stackrel{\frown}{BP}の円周角の2倍

となり、∠QAC=∠POBとなります。

 

 また、\stackrel{\frown}{AP} に対する円周角なので、∠ACQ=∠OBP

 

 よって、2つの角がそれぞれ等しいので △ACQ∽△OBP です。さて、こちらの相似比はわかるでしょうか?

 OBは円の半径ですね。△OACに注目してみると、直角二等辺三角形なので、AC:OA=\sqrt{2}:1であることがわかります。

 OAもまた、円の半径なので、OA=OB。よってAC:OB=\sqrt{2}:1 です。これが2つの三角形の相似比ですね。

 

 よって、△ACQと△OBPの相似比は、(\sqrt{2})^2:1^2=2:1 となります。

 

 ここで、△ACQの面積を2S、△OBPの面積をSとします。

 

 そうすると、△OAPの面積がSとなるのはわかるでしょうか?△OAPと△OBPを比べてみると、それぞれOAとOBを底辺としたときに高さは同じになります。ということは△OAPと△OBPも面積は同じということです。

 

 そして、△ARP2Sです。[問2①]で、△ARP≡△ABPということを証明しました。△ABPの面積は △OAP+△OBP=S+S=2S ですので、△ARPの面積も2Sとなります。

 

 となると、四角形AOPRの面積は、△OAPと△ARPの面積を足したものなので、2S+S=3Sとなります。

 

 ・△ACQの面積は2S

 ・四角形AOPRの面積は3S なので

 

2S\div3s=\dfrac{2}{3} より、△ACQの面積は四角形AOPRの\dfrac{2}{3}倍となります。

 

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 「数学は得意!目指せ満点!」というレベルの人だと、これに一番時間を使ったんじゃないかなー。(←私のこの手の予想は、たいてい外れます。。。)