冴島薫のブログ

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メルマガバックナンバー「高校受験に塾はいらない! 中学の成績を2.9倍伸ばす問題集」#25 / 理科 電池のしくみ

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のバックナンバーをお届けします。

 

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■今日の問題(理科)

うすい塩酸に銅板と亜鉛版を入れ、これらを銅線でつなぐと、
導線に電流が流れた。
文中の( X )( Y )にあてはまるものの組み合わせとして最も適するものを
あとのア~エの中から選びなさい。

「それぞれの金属板の表面では電子の受けわたしが起こっており、
 ( X )化学変化が起こり、
 電流は導線を( Y )の向きに流れる。」


ア ( X ) 銅板では原子から電子が放出され、亜鉛板では電子がイオンに受け取られる
  ( Y ) 亜鉛板から銅板
イ ( X ) 銅板では電子がイオンに受け取られ、亜鉛板では原子から電子が放出される
  ( Y ) 亜鉛板から銅板
ウ ( X ) 銅板では原子から電子が放出され、亜鉛板では電子がイオンに受け取られる
  ( Y ) 銅板から亜鉛
エ ( X ) 銅板では電子がイオンに受け取られ、亜鉛板では原子から電子が放出される
  ( Y ) 銅板から亜鉛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


■答え

エ ( X ) 銅板では電子がイオンに受け取られ、亜鉛板では原子から電子が放出される
  ( Y ) 銅板から亜鉛


■解説

苦手な人が多いであろう「電池」の問題です。

ちなみに今回のようなしくみの電池を
「ボルタ電池」
というのですが
仕組みをポイントを押さえて覚えればOKです。

電池というのは導線に電子が通る仕組みのことだと思ってください。
どのような仕組みで通るのか、細かく話していくとキリが無いですが
この問題を解くにあたって必要な部分だけ記しておきます。

今回の場合、金属板が2種類あります。
金属にはそれぞれ「陽イオンへの変化のしやすさ」というものがあります。
亜鉛と銅を比べてみると、
亜鉛の方が銅より大きい』んです。
これはしっかりと覚えておきましょう。

イメージしにくい人は、
亜鉛の方が電子を失いやすい」
亜鉛の方が電子を放り投げやすい」でも構いません。
むしろ、この後の話を理解するには
こちらのイメージの方がよいかもしれません。

さて、今回の場合は
亜鉛が電子を放り投げやすいんです。
ですから亜鉛板から銅板の方に電子が移動します。

電流というのは電子の移動する向きと逆でしたね。
電子は「亜鉛板から銅板」に動くのですから
電流は「銅板から亜鉛板」の向きに流れます。

これらを考えると、エが選べると思います。

ちなみに、Xの空欄には
「銅板では電子がイオンに受け取られ~」と
書いてありますが、

これは「銅イオンに受け取られ」ではないことを
覚えておいてください。

今回の場合銅は電子を放り投げません。
つまりイオンにならず銅のままなんです。
では、何イオンが電子を受け取るのか。

それは「水素イオン」です。
塩酸はHClですから
「水素イオン」「塩化物イオン」がこの場に
あるわけですね。

そのうち陽イオンである水素イオンが電子を受け取り
その結果水素が発生します。

この辺りもよく聞かれるので
覚えておいてくださいね。


■編集後記

さて、今回のような電池は
ある弱点があります。

興味のある人は「ボルタ電池 分極」で
調べてみてください。

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