冴島薫のブログ

塾講師です。

【高校入試】2018年 東京都立高校入試 数学 大問5[問1] ~立体の中の角度~

2018年 東京都立高校入試の数学。

全部で5つある大問の最後です。ここでは[問1]を解いていきます。

 

※ [問2]はこちらから!!!!

studyandjoy.hateblo.jp

f:id:studyandjoy:20180223191435j:plain

[問1]・・・ 立体の中の角度を求める

 

 慣れていないと、若干混乱するかもしれません。

 ただ、「立体から平面を切り出す」ことを大事にやっていけば決して難しい問題ではありません。

 

 さて、今回の場合はどんな平面を切り出せばいいでしょうか?

 

 ∠BPDを求めるわけですから、とりあえず△BPDを切り出してみましょう。(①)

 

 点Pが点Cの位置にあるわけですから、このような三角形になります。

f:id:studyandjoy:20180223194537p:plain

 これだけで、「あっ、これって〇〇じゃない??」と気付ける人もいるかと思いますが、しっかり確かめてみましょう!

 

 どんな三角形かを確かめるには、

 ・それぞれの角が何度なのか確かめる。

 ・それぞれの辺の長さを確かめる。

これに尽きます。本当に当たり前の話ですが。。。

 

 今回はどうしましょうか?

 

 最終目的は「角度」を求めることですが、難しそうなので辺の長さを確かめることにしましょう。

 

 まずBPの長さです。これは△PABの辺の一つです。

 ですから△PABを書いてみると(②)

 

 f:id:studyandjoy:20180223200446p:plain

 (AB=9cm、APはACと同じ長さで9㎝、∠BAP=∠BAC=90°ですね)

 ここから、BPの長さは、三平方の定理で求められることがわかります。

BP=x とすると、

9^2+9^2=x^2

162=x^2

\sqrt{162}=x

9\sqrt{2}=x

で、BP=9\sqrt{2} となります。

(※ もちろん、直角二等辺三角形ですから、1:1:\sqrt{2}という辺の比を使ってもいいですよ)

 

 さて、あとは「BD」と「PD」です。

 今度は四角形BEDAと、四角形ADFCを書いてみましょう。(③)

f:id:studyandjoy:20180223203021p:plain

 

 △BEDと△ADCに注目してみると、先ほどの△PABと合同な図形であることがわかります。

 同じように計算すると、DBもCDも9\sqrt{2}cmであることがわかります。

 

 ということは・・・

 

f:id:studyandjoy:20180223204307p:plain

 

 △BPDは、正三角形であることがわかります。

 ですから、∠BPDの大きさは60°であることがわかります。

 

(答え) 60°

**********************************************************************

 空間図形は、苦手意識があるという人も多いですが、この辺りの問題は、丁寧に「立体から平面を切り出す」ことを繰り返していけばできる問題です。

 解説の中に①~③まで番号を振った場所がありますね。そこで「立体から平面を切り出」しています。

 

<これを見ている中学2年生へ>

 「三平方の定理」は3年生で学習する内容ですが、それを使わなくても・・・

 △ABDと△ABP(△ABC)と△APD(△ACD)の 合同が証明できれば、△BPD(△BCD)が正三角形だということがわかります。