冴島薫のブログ

塾講師です。

【高校入試】2018年 東京都立高校入試 数学 大問3[問2②] ~関数の座標~

2018年 東京都立高校入試の数学。

大問3、グラフの問題です。ここでは[問2②]を解いていきます。

 

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 問2②は、最終的にはグラフの座標を求める問題です。

 まずは、「"だいたい"どのあたりに各点がくるか」を図に書き入れてみましょう。

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 こんな感じになるのではないでしょうか? 本当にざっくりしたものでもいいので「"だいたい"どのあたりに各点がくるか」を見ておくのは大事です。

 これをやっておくと、この後点Pを求めた結果、x座標が負になったら「あれ? おかしいな?」と気づくことができます。

 

 さて、点Pの座標を求めていきましょう。

 基本は「座標がわからない点のx座標を文字で置く」ことです。

 ここでは点Pのx座標をpと置いてみましょう。

 

 すると、このような感じになります。

 

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 Q、M、Pのそれぞれのy座標は、以下のようにして求めました。

 

(点P)

 放物線l上の点ですね。放物線lの式はy=\dfrac{1}{2}x^2 なので、これの x に p を代入して、\dfrac{1}{2}p^2 という y座標を得ます。

 

(点Q)

 線分AB上の点ですね。線分ABの式はy=x+12 なので(前の問題で求めましたね)、これの x に p を代入して、p+12 という y座標を得ます。

 

(点Q)

 線分PQ上の中点です。

 中点の座標は、x座標もy座標も「足して2で割る」ことで求めます。つまり、点Pのy座標である \dfrac{1}{2}p^2 と、点Qのy座標である p+12 を足して2で割ればいいんです。よって、

\{(\dfrac{1}{2}p^2)+(p+12)\}\div2 = \dfrac{1}{4}p^2+\dfrac{1}{2}p+6 となります。

 

   さて、「直線BMが原点Oを通る」ということは、「点B、点M、点Oが一直線上にある」つまり「直線OBの上に点Mがある」ということが言えればいいんです。

 「3点が一直線上にある」場合はよく出会うと思いますが、上のように考えるといい方向に行くことが多いですよ。

 

 ですから、まず直線OBの式を求めてみると、y=3x

 これの上に、P(p, \dfrac{1}{4}p^2+\dfrac{1}{2}p+6) を代入すると、

 

 \dfrac{1}{4}p^2+\dfrac{1}{2}p+6 = 3p

 \dfrac{1}{4}p^2-\dfrac{5}{2}p+6 = 0

 両辺を4倍して、

 p^2-10p+24 = 0

 (p-4)(p-6) = 0

 p=4, p=6

 ただし、pは6より小さい、つまり6は含まないので、 

 p=4

 

 よって点Pの座標は(4, 8)となります。

 (y座標は、\dfrac{1}{2}p^2p=4 を代入すると求められますね)

 

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  座標を求める問題の基本が詰まった問題です。

 来年度以降も似たような問題が出題される可能性は大きいですね。